A call from the northern Jomon 24AW

北からの縄文便り A call from the northern Jomon

空を仰ぎ、山を望み、原で働き、村で暮らす。縄文土器や縄文のビーナスや縄文遺跡を追って出かけた土地には自然の力にきちんと頼りながら続く営みがあった。縄文人が見ていたのと同じ風景を私たちも見ている。縄文人が食べていたのと同じものを私たちも食べている。縄文人たちが生きていたのと同じ土の上に私たちも生きている。そう思えた。

遮光器土偶に会いに青森へ出かけた。その名の由来でもある遮光器(=ゴーグル)のような目の力だけでなく全身をめぐる渦模様や頭の装飾の奇抜さに度肝を抜かれた。人が「装う」という行為がもたらす無垢な美しさが約3,000年の時を超えて心に突き刺さり、「装う」ためのものをつくることへの好奇心が一層掻き立てられた。

縄文時代からの途方もない時間は人間を変え、社会を変え、環境を変えた。その変化を耐えて変わらぬ姿で私たちの目の前に現れる縄文人の創造物は、彼らの時間と私たちの時間が繋がっている感覚を抱かせてくれる。それをなんとか自分なりのやり方で未来へ繋げたいと願う。